Dali展@国立新美術館
だいぶ期間が空いてしまいましたが、更新です。
今日は妻とDali展に行ってきました。
9/14~12/12まで国立新美術館にて公開されています。
行くことになったきっかけは、妻がDaliを好きだったからという単純な理由
スペインに滞在中にソフィア王妃芸術センターやプラド美術館など割と美術館には入っていたので、もちろんダリの生の作品も見ていましたし、作品集も購入しておりましたが、ダリ自身のことは何も知らなかったので、下調べした上で行きました。
ダリ展のここが面白いベスト3
さて、せっかくなのでダリ展に行って良かったと思う、興味深いことを3つ紹介したいと思います。
1.ダリの歴史を紐解きながら見れる
個人的に良かったのが、ダリの歴史や作品背景を紐解きながら作品を見て行ける点です。特に、私はダリの有名な作品、例えば、「記憶の個室」のような一見奇妙で理解しがたく、でも美しい作品しか知りませんでした。
ですが、今回は、ダリが過ごした幼少時代の作品から年代毎にスタイルが変わっていく様を見ることができます。
特に、初期の印象派の絵や、大学に入って影響されたキュビズムのスタイルなどこれまで知っていたダリの絵とは印象が大きく異なるものでした。
正直絵画に詳しくはないのですが、作者の背景が分かると様々なスタイルで書かれた絵にも俄然興味が湧いてきます。シュルレアリストとなってからの絵は、現在のダリの奇妙な絵の片鱗が見えてきます。ダリの夢の中や無意識を描いた絵が幾つかあったのですが、天才の頭の中というものを理解するのはなかなか難しいものだなというのが感想です。笑
少年時代に、兄の生まれ変わりとして育てられたことや、父が厳しくまた女性の梅毒の写真を見せよくダリを怖がらせたこと、敬愛する母が16歳で亡くなってしまったことなどがダリの性格や作品に大きく影響を与えたようです。
一番衝撃的だったのは、館内で上映されていた「アンダルシアの犬」。
のちの映画監督である「ルイス・ブニュエル」とダリで製作した映画で、大人でも見るのがきつい人は大変多いのではないかと思うほど、グロテスクで奇怪で多くの場面で感じる気持ち悪さにぞっとするような映画です。
当時これを見た人たちは「どう反応していいかわからなかった」そうです。笑
それくらいよく分からない映画ですが、ピカソなど当時のシュルレアリストはこの映画に賛辞を送ったとのこと....芸術って奥が深いですね。
2.とにかく作品数が多い!!
2つ目の理由はとにかく作品数が多いことです!
今回は、200点以上の作品が展示されているらしく、入場前に大体回るのに70~80分かかると言われたのですが、実際入ってじっくり見て回ると3時間半も過ぎていました。
もちろん、来場者も大変多く、既に入り口の時点で20分待ちと大盛況のようですが、それよりも中のボリュームは凄まじく、大変満足できるものでした。(各パートの説明などに英語訳ももちろんあり、妻もしっかり楽しめたようです。)
展示の順や並べ方も素晴らしくかなり接近して作品を観れるので、特に印象派の作品などはその良さが十分に見れるのではないかと思います。
3.ジョジョにも影響を与えているのでは !?
ここに関しては、完全に私の憶測なんですが、ダリの作品はジョジョの奇妙な冒険にも影響を与えているのではないかと思わずには入られません。特にそれを感じたのは「アンダルシアの犬」の中のシーンで、道路に落ちている右腕を顔の綺麗な青年が杖で突き、大事そうにケースに入れるシーンや、冒頭にある女性の眼球をカミソリで切るシーンなどジョジョでありそうなシーンが満載です。また、スタンドは、ダリの絵でよく表現されている、見えない人から何らかのインスピレーションを得たのではないかと作品を見ながら考えていました。
このように、見どころ満載な上に見ている最中に感じる自分の中のモヤモヤ感など、やはり「普通ではない」ダリの才能に触れることで大変充実した時間を過ごせました。
12/12まで開催されていますので、興味のある方はぜひ行かれてみてください。
「No tengas miedo de la perfeccion. Nunca la alcanzaras.」by Salvador Domingo Felipe Jacinto Dali i Domenech
(完璧を恐れるな。決してそこには到達しないのだから。サルバドール・ダリ)
素晴らしいの一言です。
- 作者: キャサリン・イングラム,アンドリュー・レイ,【監訳】岩崎亜矢,【翻訳】小俣鐘子
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